「ねじピッチ(ネジ山)」について
ピッチとは隣り合ったねじ山の中心同士を結んだ距離をミリ単位で表すもので、通常「 P = ○○」といった表記がされ、特に記載がない場合は標準ピッチ(並目)の数値を表す。 並目より間隔の狭い物は細目・極細目と呼ぶ。 また、ウイットやユニファイ等のインチねじの場合は一般的に1インチ( 25.4mm )あたりの山の数で「○○山」と表現される。
並目ねじと細目ねじ使い分けのポイントは
並目ねじ…標準品による経済性・締付作業性
細目ねじ…ゆるみ密さ微調整を必要・肉薄による強度不足
などが主な選定ポイントとなる。
|
|
「インチねじ(ウイットねじ)」
1841 年にイギリスでウイットウォースが規格化した「ねじ山角 55 度のインチねじ」
主な用途 = 国内の建築関係・電気・水道・空調設備関係
|
|
「ユニファイねじ」
1864 年にセラーズが規格化した「ねじ山角 60 度のインチねじ」でアメリカ・イギリス・カナダの間で統一使用された。
主な用途 = 航空機・アメリカ自動車
|
|
JIS のメートルねじ
1949 年、JIS 制度により規格を制定したもの。 1965 年にISO 導入統一に伴い廃止。
主な用途 = 古い国内製品のM5以下
|
|
ISO のメートルねじ
1965 年に ISO (国際標準化機構)規格を導入、日本工業規格( JIS 規格)に標準化され現在に至る。
主な用途 = 国内のほとんどの製品
|
|
三角ねじ (ねじ山形状)
ねじ断面が三角形(山の角度は 60°)で、他の形状のねじに
比べて緩む事が少ないので、主として締結用に用いられている。 メートルねじ、ユニファイねじなどがある。
|
|
角ねじ (ねじ山形状)
ねじ山の断面が正方形をしているねじで、三角ねじ比べて
比較的小さなモーメントで軸方向に大きな力が伝達できるのが特徴。 このため、プレスやジャッキなどのように軸方向に大きな力を出すようなものに使用される。
|
|
台形ねじ (ねじ山形状)
ねじ山の断面が台形となっており、組立時に軸方向の精度が出しやすい特徴がある。 そのため運動用ねじとして工作機械の親ねじ、測定器の測定軸などのように高精度のピッチが要求される送りねじに使用される。
|
|
のこ歯ねじ (ねじ山形状)
ねじ山の断面が角ねじと三角ねじを組合せた鋸刃形状をしており、1方向からのみ大きな力が作用する場合に使用する。 このねじは締付け状態から速やかにねじを緩めることができるので、プレスや万力の締付け用ねじとして用いられている。
|
|
丸ねじ (ねじ山形状)
山頂と谷底の丸みが非常に大きいのが特徴。 電球の口金のねじのようにねじ山が破損する恐れのある薄板のねじに用いられる。 また、取付作業を迅速に行う場合や砂などの異物が入る恐れのある場合にも使用される。
|
|
管用ねじ (ねじ山形状)
管、管用部品、流体機器などの接続に用いられる山の角度が 55°の三角ねじで、平行ねじとテーパねじがある。 管の機械的結合を主目的にするときは平行ねじを、ねじ部の耐密性を主目的にするときはテーパねじが使用される。
|
|