【水素脆性】 すいそぜいせい
高炭素鋼や特殊鋼の一部(炭素含有量の多い材質)のものは、酸処理やメッキ工程において浴中で発生する水素が素材中に入り込んで素材粒子の境界にたまり、その境界から粒子が押し広げられ素材がもろくなる。 この現象を水素脆性 といい、水素脆性を起こした素材は割れやすくなり、バネ材では致命的な欠陥となるので注意が必要である。
※熱処理しないボルトではメッキしても水素脆性の心配はない。
【スキミゲージ】 すきみげーじ
隙間を測るゲージ
【すずコバルトメッキ】 すずこばるとめっき
すずとコバルトの合金被膜。 クロームメッキの色合いに近く代用として利用される。
クロームに比べつきまわりが良く安価でバラツキが少ないが、耐食性は劣る。
【スタック】 すたっく
止め輪などの製品で、作業性を考慮して工具に喰いつきやすいように棒状に整列させ、テープなどで貼り付けた梱包のこと。
【ステンコート】 すてんこーと
ジンロイ+Kコート
亜鉛−ニッケル合金メッキのジンロイを下地に光沢クロメート処理をし、その上に無色透明の防錆コーティング剤の K コートを施す。 見た目も耐食性もステンレスのようになるので「ステンコート」と呼ばれている。 黒色の「ブラックコート処理」もある。 ステンレスの焼き付防止用コートと混同されやすいので注意が必要である。
【ステンレス】 すてんれす
12% 以上の Cr(クローム)を含む合金鋼
マルテンサイト系:SUS410 = Cr 13% + Fe 87%
フェライト系 :SUS430 = Cr 18% + Fe 82%
オーステナイト系:SUS304 = Cr 18% + Ni 8%
:SUSXM7 = Cr 18% + Ni 9% + Cu 3%
Cr が鉄よりも酸素と結びつきやすいため、鉄より先に Cr が酸化し、表面に酸化 Cr の膜を作るため(不働態化)ステンレスは錆びにくい。
【ステンレスの旧記号】 すてんれすのきゅうきごう
旧 SUS24 ⇒ 新 SUS430
旧 SUS27 ⇒ 新 SUS304 (SUS305J1、SUSXM7)
【ストロンジンク】 すとろんじんく
亜鉛ー鉄合金メッキで、塩水噴霧試験で白錆 500Hr、赤錆 2000Hr の超高耐食性を持つ。
銀を使わない黒色クロメート処理が簡単にできる。 合金比は凹部凸部も均一で、耐食性が安定している。
【スラスト方向】 すらすとほうこう
止め輪などを挿入する際に使用される言葉で、軸部に対して
180 度の方向を「スラスト方向」という。
90 度の方向を「ラジアル方向」という。
【スリワリ】 すりわり
筋割ともいう。 ねじ回しの先端を差し込んで、ねじ部分を回転するために設けたマイナス溝。